憲法9条を読んでると、英文が透けて見える。

そんな現代アートが直島にあります。

9条に限らず、日本国憲法は日本語としておかしくありませんか?

昭和21年という昔に作成されたものだからでしょうか?

いえ、違います。

もともと英語で書かれたものを日本語にほぼ直訳してできた憲法だからです。

日本国憲法を作ったのはダグラスマッカーサー元帥が統率するGHQです。

マッカーサー三原則(皇室の存続、戦争と戦力の放棄、身分制度の廃止)という基本コンセプトに沿って、前文と各条文の草案が英語で書かれ、その日本語訳を多少修正したものが現行憲法の政府草案となったのです。

だからこそ日本国憲法の条文には、直訳的で奇妙と思える日本語が並んでいます。

日本語には、訓読みの大和言葉と、音読みの熟語(漢語)があります。

例えば、草(くさ)と草(そう)、血(ち)と血(けつ)です。

七草(ななくさ)、血(ち)は大和言葉、草原(そうげん)、血液(けつえき)は中国由来の熟語です。

大和言葉が多く使われているのは、演歌、俳句や和歌です。そうしないと、日本人の情が出ないからです。

憲法典の改正が行われるのか、その日がいつ来るのか、その時には、日本人の情や伝統、国民性を反映した大和言葉で表現したいものです。

 

弁護士 臼井義幸