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1 強盗致傷事件で執行猶予付き判決を勝ち取った事例

相談前

強盗致傷事件1件(財布など金品を窃取した上、全治2週間の怪我を負わせた)、窃盗事件3件(財布など金品を窃取)について、被疑者段階(逮捕時)から弁護を受任

相談後

強盗致傷事件につき、起訴前、検察官に対し「強盗致傷で起訴されれば致傷の結果など罪状を争うが、窃盗・傷害ないし強盗での起訴であれば罪状を争わず被害弁償もする」などと交渉した結果、窃盗・傷害での起訴にとどめることができました。

強盗致傷事件及び窃盗3件について全て示談を成立させることができ、執行猶予判決(保護観察付)を勝ち取ることができました。

コメント

強盗致傷事件については、被害者への暴行により被害者の主張する傷害結果が本当に生じたのか、争いの余地が十分にある事案でしたが、起訴前の段階で、検察官に対しこの点を指摘、争う姿勢を示しました。

一方で、より軽い罪名での起訴であれば、争わずに被害弁償も進んで行うなどと交渉し、窃盗・傷害での起訴にとどめることができました。

強盗致傷での起訴となれば、法律上、6年以上の懲役刑、減刑があったとしても最低でも4年以上の懲役刑(実刑)の可能性が非常に高くなります。

強盗での起訴でも最低でも3年以上の懲役刑(実刑)の可能性が高くなります。

起訴されるにしても、どのような罪名で起訴されるかは非常に重要です。

検察官は、被疑者の問題となる行為についてどのような罪名で起訴するかについて一定の裁量を持っています。

検察官は、立証の見込みはどうか、被害弁償を期待できるかなど諸々の事情を考慮して、どのような罪名で起訴するかを決定しますので、起訴前の段階で検察官に対し、より軽い罪名で起訴するようにうまく交渉することが重要になります。

また、示談交渉も重要です。

本件では、保護観察付きの執行猶予判決、いわばギリギリの執行猶予判決と言え、仮に全く示談ができていなければ、実刑判決の可能性が高かったと考えられます。

強盗致傷事件については、被害者の被害感情が非常に強く、示談交渉は容易ではありませんでしたが、2カ月にわたり粘り強く謝罪・交渉した結果、最終的に示談を勝ち取ることができました。

 

2 執行猶予中の犯行で再度執行猶予判決を勝ち取った事例

相談前

窃盗事件(店舗で商品を窃取)について、被疑者段階(逮捕時)から弁護を受任

前歴1件(窃盗)、前科2犯(1件は交通、もう1件は薬物で、本件窃盗は薬物前科の執行猶予中の犯行)

相談後

窃盗について、被害弁償、示談を成立させる、配偶者が情状証人として証言、執行猶予判決(保護観察付)を勝ち取ることができました。

コメント

執行猶予中の犯行の場合、原則として再度の執行猶予判決は出ません。

もっとも、再度の犯行につき一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときのみ、特例として再度の執行猶予判決が認められます。

被告人はまだ幼い子どもがいましたので、配偶者が情状証人として、子どもが被告人を待っている、被告人がいないと生活が困窮する、今後被告人をしっかりと監督する旨などを涙ながらに訴えました。

また、本件では、被告人が窃盗直後に被害者に窃盗行為を否認したなどのため、被害者の被害感情が非常に強く、示談交渉は容易ではありませんでしたが、被告人の謝罪文を渡すなど粘り強く謝罪・交渉した結果、最終的に示談を成立させることができました。

その他、前科と本件窃盗とが罪質が異なることなども訴えた結果、「情状に特に酌量すべきものがある」と認められ、再度の執行猶予判決を勝ち取ることができました。

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