暴力や不貞行為などを理由に慰謝料請求をする場合、相手方が、それらの事実を認めないケースがよくあります。
協議や調停を経ても平行線を辿ると、争いは訴訟にまで進展することがありますが、訴訟では、慰謝料を請求する側が、暴力や不貞行為などの事実を立証する必要があります。
十分な立証ができない場合は、判決では、そのような事実がないものとして扱われます
(このことを「証明責任を負う」と言います)。
そこで、相手方が否認する場合(否認することが予想される場合)は、暴力や不貞行為などの事実を証明できる証拠を得ることが極めて重要になってきます。
このような証拠がないために泣き寝入りせざるを得なかったケースは本当にたくさんあります。
不貞行為とは、自由意思で配偶者以外の異性と肉体関係をもつことであるとされています。
ですので、例えば、デートをしている模様の写真だけでは必ずしも十分ではありません。
興信所に依頼し、2人がホテル等へ出入りする姿を写真などで撮影できれば、決定的な証拠となりえます。
そのほかにも、不貞相手に宛てた手紙やメール等も有力な証拠となります。
本人が不貞行為を認めている様子を録音することも考えられます。
一方、暴力の場合は、受傷箇所を日付入りで撮影した写真や、医師の診断書などが強力な証拠となります。
このように、訴訟での利用を視野に入れて確実な証拠を準備していくことが、後日、相手方に慰謝料請求をする場合に活きてきます。
確実な証拠を周到に準備していくには、やはり、法的な専門知識と実務経験を備えた弁護士に相談しながら慎重に進めていくのが賢明です。