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後遺障害申請

1  はじめに

後遺障害は、通常、事故受傷から6カ月を経過した後に症状固定と診断された時点で申請します。 後遺障害等級は、自賠責保険会社を窓口にして、損害保険料率算出機構に属する自賠責損害調査センター調査事務所が認定しています。 昨今、後遺障害認定の基準は極めて厳しくなっています。

例えば、通院終了時点で、医師が後遺障害診断書を作成する際、後遺障害が残っていることについて詳細に書いてくれているのに、「事故直後の診断書では単なる打撲という診断になっているから、事故とは因果関係が認められない」として後遺障害等級が認められない場合があります。 因果関係がないというのは、「通院終了時に医師が書いた所見は、事故後に、事故とは全く関係なく怪我をしたのであろうから、事故による後遺症とは認められない」という判断です。

このような問題はどうすれば回避できるのでしょうか。

それは、事故後、できるだけ早く、交通事故に詳しい弁護士に相談し、事故直後の診断書を見せた上で、弁護士から医師に対し再診断を要請し、診断内容の修正を行っておくことにより回避できます。

また、例えば、通院終了後も股関節に障害が残り、通院終了直前に撮影したMRI画像もあるが、後遺障害等級が認められないという例もあります。

「MRI画像を撮ったのが、事故から何か月も経った後だから、事故との因果関係が認められない」というのがその理由です。 このような問題も、事故後すぐに弁護士に相談していれば、X線画像だけでは不十分なので、できるだけ早い時期にMRI画像を撮るよう指示を受けることができますから、撮影時期が遅すぎるから後遺障害等級が認定されないという事態を回避することができたはずです。

このように、通院を終了して後遺障害等級認定の手続きが終わってしまってから、示談交渉だけを弁護士に頼むのでは遅すぎます。それでは、被害者の方に本当に生じた損害が賠償金額として評価されることはなくなってしまうのです。

事故に遭われたら、保険会社に連絡し、病院に行くだけでは、被害者の方は救われなくなっています。すぐに弁護士に相談されることをお勧めします。

信濃法律事務所では、200件以上の取扱経験、ノウハウをもとに、提携医師と連携の上、被害者が適正な後遺障害等級の認定を受けられるよう、被害に見合った適正な賠償金を獲得できるようサポートします。

 

2  むち打ちと後遺障害等級

交通事故による後遺障害のうち、最も多いのは、頚椎捻挫後の頚部痛・手のしびれ、腰椎捻挫後の腰痛・足のしびれ等の症状が残存してしまうという障害です。

同じ「頸椎捻挫」、「腰椎捻挫」という傷病名でも、実際に後遺障害等級認定の申請をしてみると、「非該当」、「14級9号」、「12級13号」と結論が分かれてしまうことはよくあります。

「非該当」であれば保険会社が提示する示談金額は100万円以下のことが多いですが、「14級9号」が認定されれば裁判所・弁護士基準で300~400万円程度の金額になることも多く、「12級13号」が認定されれば800~1000万円程度の金額になることもあります。このように、同じ頚椎捻挫・腰椎捻挫と診断され、症状が残ってしまった場合でもどう認定されるかによって、損害賠償の金額に随分と大きな違いが生じてしまいます。

 

3  認定基準

後遺障害別等級表・別表第2において、12級13号は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」とされており、14級9号は「局部に神経症状を残すもの」とされていますので、「頑固な」が付くか付かないかの違いしかありません。

そこで、認定基準の説明を見ると、12級13号は「神経系統の障害が他覚的所見により医学的に証明されるもの」をいい、14級9号は「神経系統の障害が医学的に推定され、説明のつくもの」をいうとされています。すなわち、症状固定後にも残存する痛みやしびれ(神経系統の障害)について

医学的証明がなされている場合→12級13号

医学的証明はなされていないが説明はつく場合→14級9号

医学的証明がなされておらず、かつ、説明もつかない場合→非該当

ということになります。

 

4  14級が認定される場合

むち打ちについて、14級に該当という方もいれば、非該当という方もいます。

非該当の理由としては、 (1)「画像上、異常所見は認め難い」(2)「神経学的所見は認められない」(3)「症状経過、治療状況等も勘案した結果、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難い」と記載されていることが多いです。

(1)「画像上、異常所見は認めがたい」

これについては、頸椎の全体に、年齢変性所見が乏しく、経過のMRIで、C4/5,C5/6,C6/7のいずれかにヘルニア所見=椎間板突出が認められているかなどが判断材料とされています。

(2)「神経学的所見は認められない」

これについては、「事故直後から、左右いずれかの上肢、肩から手指にかけて、だるさ感、重さ感、痺れなどの症状が認められたか」、「それが今も継続しているか」、「自覚症状に一致して、スパーリング、ジャクソン、神経根誘発テスト等で陽性反応を示しているか」などが判断材料とされています。

(3)「症状経過、治療状況等も勘案した結果、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難い」

これについては、通院日数・期間などが考慮されます。画像上異常所見がなく、神経学的所見が認められない被害者でも14級が認定される方もいますが、受傷後の実通院日数は1カ月あたり15日以上(トータルの通院期間も1年以上)という方が多いです。

 

5  12級が認定される場合

「頸椎捻挫」・「腰椎捻挫」との診断名では、ほとんど14級9号にとどまるのが実情です。その中でも、ごくまれに12級13号の認定を受けられる場合があります。

12級13号と14級9号の違いは、上記のとおり、残存した神経系統の障害について、医学的「証明」がなされているか、それとも「説明」できるにとどまるかです。

「証明」と「説明」…非常に相対的な概念に思えますが、具体的な分水嶺はどこでしょうか。

(1)画像所見

結論から言うと、自覚症状と整合する「画像所見」があるか否かです。これに尽きるといっても過言ではありません。

すなわち、むち打ち症で12級13号の認定を受けるには、MRI画像に、椎間板のヘルニア変性、脊柱管狭窄などによる神経根の圧迫といった異常所見が明確に映し出されていることが不可欠といえます。そして、当該神経の支配領域に痛みやしびれの症状が生じていなければならないのです。

(2)因果関係(外傷性)

さらに、画像上明確な異常所見があっても、それだけでは足りず、その異常所見が事故によって生じた外傷性のものである必要があります。

実は、医学的には、椎間板や椎体の変性は、加齢によって生じるケース(いわゆる「年齢変性」「経年性」)がほとんどで、交通事故によって椎間板や椎体の変性が生じる可能性は低いと考えられています。

しかし、事故の衝撃の大きさや、受傷機転次第では、椎間板や椎体の変性が生じることもあるとされています。

では、椎間板や椎体の変性が外傷性のものと言えるのはどのような場合でしょうか。

通常、人は30歳を超えた頃から脊椎には何らかの加齢による異常が生じてきます。

そして、椎間板についていえば、複数箇所に変性や膨隆が生じていればそれは「年齢変性」「経年性」のものと捉えられるのです。逆に言えば、椎間板の変性・膨隆の箇所が1か所か2か所程度であれば、それは「年齢変性」「経年性」のものではないと推測することができるのです。

他にも、MRI画像からその椎間板の変性がかなり前から生じていたものなのか、比較的最近になって生じたものなのかで外傷性であるかを判断することができる場合もあります。事故以前にMRIを撮影していてその画像には椎間板の変性が写っていないようであれば、事故後に生じた変性は事故によるものと考えることができるでしょう。

(3)まとめ

12級13号の認定を受けるためには、上記のとおり、画像上明確な異常所見の存在が不可欠ですので、事故後なるべく早い段階で精度の高いMRI撮影をしてもらいましょう

また、後遺障害等級認定手続が書面審査であることには変わりありませんので、医師に有意な画像所見(画像上捉えられる病変及びそれが外傷性のものと判断されるのであればその根拠)や自覚症状と整合する神経学的所見を後遺障害診断書に記載してもらうことも非常に重要となってきます。

そのような診断書を入手するべく、当事務所では、交通事故の被害者から損害賠償請求に関する依頼を受けると、主治医と連絡をとり当該医師と連携して業務を進めていきます。

 

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