婚姻費用
別居しても、離婚調停中でも、離婚成立までの間は、婚姻費用が支払われる必要があります(通常は、夫から妻へ)。
婚姻費用をどうするかということは、家庭裁判所が公表している婚姻費用算定表に夫婦双方の年収をあてはめて、それにより算出される額をもとに、夫婦の話し合いで決めるのが原則です。
話がまとまらない場合や、話自体できない場合には、家庭裁判所に対し、調停を申し立てることができ、そこでも話がまとまらなければ、審判に移行します。
婚姻費用の支払い義務者の年収が算定表の上限(給与所得者の場合は2000万円)を超える場合でも、算定表の上限額をもとに算定されるのが原則ですが、超過額が大きい場合や個別の事情によっては、算定表よりも高額な婚姻費用を請求できる場合があります。
養育費
離婚において、夫婦の間に子供がいる場合、養育費をどうするかということが問題になってきます。
養育費をどうするかということは、家庭裁判所が公表している養育費算定表に夫婦双方の年収をあてはめて、それにより算出される額をもとに、夫婦の話し合いで決めるのが原則です。
話がまとまらない場合や、話自体できない場合には、家庭裁判所に対し、調停を申し立てることができ、そこでも話がまとまらなければ、審判に移行します。
養育費の対象になる子は、未成熟子ですが、未成熟子と未成年者とは異なるものです。
かつては子供が高校を卒業する18歳になるまでとするのが主流でしたが、最近は、20歳とする例が多くなっています。
大学卒業時までの養育費の支払い義務を認める例もあります。
また、一度養育費を取り決めた場合であっても、離婚当時に予測できなかった事情の変更が生じたと認められる場合には、養育費の増額や減額を請求することもできます。
相手が取り決めた養育費を支払ってくれない場合のための対応として、養育費の取決めを公証役場で公正証書にしておけば、わざわざ支払いが滞ってから裁判をしなくても、公正証書により直ちに強制執行をすることが可能となるので、効果的といえます。
年金分割
離婚する場合、専業主婦であっても夫の年金の2分の1がもらえるという話を聞いたことがあると思います。
ただ、夫が定年退職するまでに積み立てたすべての年金の2分の1をもらえるというのではありません。
あくまで、年金分割の対象になるのは、平成20年4月以降離婚時までの期間に対応する厚生年金(相手が公務員の場合には共済年金)の部分に過ぎません。
もっとも、これは、夫との合意や裁判がなくても分割を受けられるということですので、夫との合意が成立している、或いは裁判所に認められている場合には、平成20年4月より前の部分の年金分割を受けることができます。
また、共働きの場合において、夫婦間の厚生年金受給額に差額が生じる場合、その差額を解消するため、相手の厚生年金を分割してもらうことができます。